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しまの非日常な日常ダイアリー

#1|日本人プロポーカープレイヤーの“普通”の1日

1年の多くを海外カジノで過ごし、ポーカーで生計を立てているプロプレイヤーしまさん。みんなにとっては「非日常」なカジノ生活でも、しまさんにとっては「日常」。旅では伺い知ることのできない、カジノのあれこれを写真で紹介していきます。 第1回は、「プロポーカープレイヤーの“普通”の1日」。カジノの近くで暮らすってどんな感じ?

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イントロダクション

「WSOP」に憧れ、日本人プロポーカープレイヤーに

プロポーカープレイヤーのしまです。ポーカーを始めたきっかけは大学生のときにアメリカのラスベガスで行われる世界最大のポーカー大会である「WSOP」のメインイベントを観たことでした。そこからアミューズメントカジノへ行くようになり、オンラインポーカーサイトでプレイを続けていくようになりました。次第に海外のカジノへの興味が強まっていき、在学中に1人でマカオとラスベガスに行きました。そこでの経験からポーカーの魅力にさらにとりつかれ、何にも縛られない生活への憧れもあってこの世界で生きていくことを決めました。

現在はコロナの影響でほとんど日本にいますが、コロナ前は年間半年ほど海外に滞在していました。今まで行った国・地域はアメリカのラスベガスとロサンゼルス、マカオ、韓国のソウルとチェジュ、カンボジアのプノンペン、シンガポールです。その中でも最近はアメリカとマカオを中心にスケジュールを組んでいました。

今回は、僕が海外滞在中にどのような日々を送っているのかを紹介したいと思います。

憧れのWSOPメインイベント出場

冒頭の写真は、ポーカーにハマるきっかけとなった「WSOP」のメインイベントに参加中の様子です。参加費が1万ドル、日本円で約110万円と高額なことからなかなか出る機会がありませんでしたが2019年に初めて参加しました。憧れていたステージ、普段出ているトーナメント(大会)の5~10倍ぐらいの参加費ということもあってベストなプレイができてなかったように思います。残念ながら大会2日目に敗退してしまい賞金はありませんでした。

「WSOP」のメインイベントでは過去日本人の優勝者は0。毎年のように増え続け現在は80以上あるサイドイベントを含めても2019年大会まで2人だけという世界ですが、また挑戦したいと思っています。

「ベラージオ」に朝から“出勤”!?な1日

『オーシャンズ11』の舞台で

普段はトーナメントではなくキャッシュゲームを中心にプレイしています。トーナメントは賞金がもらえるのが参加者の上位15%ほどで、またぎりぎりの入賞だと参加費の1.5倍から2倍ほどしかもらえず、上位にならないと十分な利益がうまれません。参加費を支払い、その専用のチップを使い生き残りをかけるトーナメントとは違い、キャッシュゲームはその名の通りお金を直接賭けてプレイします

かつてはポーカーテーブル上で米ドル札が飛び交ったようですが、今はほとんどのカジノで現金と同等のカジノチップのみを使ってプレイされています。キャッシュゲームはトーナメントよりも収支の分散が小さいのと、プレイヤーが集まっている限りは好きな時間でプレイすることができるため、ポーカーのみで生活している人の多くはこちらをメインにプレイしています。

この写真はラスベガスに滞在し、ベラージオカジノのキャッシュゲームへ向かっているときに撮影しました。普段は人の多く集まる夕方ぐらいから稼働を始めることが多いですがこの日は朝からスタート。ラスベガスは砂漠を開発して作られた都市のため、雨が少なく陽がまぶしいです。夜のきらびやかな雰囲気も好きですが、朝昼はまた違った雰囲気の良さを味わえます。ベラージオは映画『オーシャンズ11』にも出てくる、世界で最も有名ともいえるカジノで、世界中からポーカープレイヤーが集まり昼夜を問わず多くのプレイヤーで賑わっています。

Bellagio Las Vegas
住所:3600 S Las Vegas Blvd., Las Vegas, NV 89109
HP:https://bellagio.mgmresorts.com/

たまには息抜き。恋しい日本食を食べた休日

ラーメンSORAで食事

普段はカジノ内でポーカー中や待ち時間に食事をすることが多いですが、たまには気分転換も兼ねてカジノ外のレストランへ行きます。僕は海外に滞在中丸1日休むことはあまりせず、ときどきプレイ時間を少なくして半休のような休みをいれ、部屋でゆっくりしたり外食に行ったりします。

この日はベラージオから車で10分ほど行ったところにあるラーメン「SORA」へ。海外にいると日本食が恋しくなるのですが、カジノ内に日本食レストランは多くなく、あってもかなり超高級なところばかりなので、行ったことがありません。アメリカでも日本のラーメンは大人気で、ラスベガスだけでもいくつものラーメン屋があります。何軒か行きましたが一番のお気に入りはここです。店員さんが「いらっしゃいませ~」と出迎えてくれて美味しいラーメンが食べられるラーメン「SORA」には、ラスベガスで滞在のたび必ず一度は行きます。「デラックスSORAラーメン醤油味」、税とチップ込で15ドルほどです。

Ramen Sora Las Vegas
住所:4490 Spring Mountain Rd., Las Vegas, NV 89102
HP:https://www.ramensoralasvegas.com/

「コマースカジノ」で運をたぐり寄せた1日

カジノまで1分のホテル

滞在費を抑えるためにポーカー仲間とホテルの部屋をシェアすることが多いですが、このときは自分だけ少し別行動をしたため一人で数日ホテル滞在。ロサンゼルスで最も大きいカジノ、コマースカジノ併設の客室です。

ロサンゼルスはアメリカの中でも物価の高い地域なのでこの部屋で190ドルとラスベガスに比べるとやや高め。ただ治安の悪い地域でもあるのでカジノ外に出てトラブルに遭うという心配や、時間の節約という意味では併設ホテルに滞在するのも有力な選択肢です。部屋からカジノまでは1分ほどで、ポーカープレイヤーには最高の環境です。


お気に入りのテラス

海外に滞在すると夜型の生活になりがちで、それもホテルとカジノの往復ばかり。太陽の陽を浴びず不健康な生活になってしまうので、コマースホテル滞在時はお気に入りのテラスでたまに一息。喫煙所も兼ねた場所ですが人があまり来ないのでリラックスできます。ロサンゼルスは雨が少なく暖かい時期が長いので昼間はとても気持ちがいいです。

負け知らずだった日

ポーカーは間違いなくスキルゲームですが運の要素もとても強いゲーム。自分がどんなに正しくプレイしても勝てないときは勝てないです。自分の1日ごとの勝率は55%ぐらいで、この数字は他の勝ち組ポーカープレイヤーと大きくは変わらない数字だと思います。そのため負けが続くときは何日も続いてしまい、稼ぎに来たのにお金がどんどん減っていく・・・これはサラリーマンと違うしんどいところの一つかもしれません。

ただこの日はとてもついていました。立て続けに強い手が入り、同時に相手も強いけど自分より少し弱い手を持っている。ポーカーは最強の手であるロイヤルフラッシュを持っていたとしても相手も強い手を持っていないと大きく稼げないのがまた面白い要素です。1,500ドルを手出しでプレイし、8,000ドルになったところで記念撮影。このあとも少し増やして約9,000ドルで終了しました。

コマースカジノお気に入り飯

ロサンゼルスのカジノは「レーキ」と呼ばれる、カジノが取る手数料がラスベガスのカジノに比べると高め。ですがプレイ時間に応じてもらえるフードコンプ(食事などに使えるポイント)もやや高く、ラスベガスでは1時間2ドルが相場なのに対してロサンゼルスのカジノでは1時間3ドルが相場です。さらにカジノ内の食事代はラスベガスに比べると安いため、ラスベガスでは1日ポーカーをプレイしても1食分に足りるかどうかといったところですが、ロサンゼルスでポーカーを1日プレイすれば食事代はすべてそれでまかなえます。

コマースカジノでのお気に入りはニューヨークステーキとグリルサーモンでどちらも15ドルで頼めます。写真写りはちょっと悪いですがとても美味しいのでおすすめです。ロサンゼルスは移民の多い地域のためか、アメリカ料理はもちろん、メキシコ料理やアジア料理など多様なフードメニューが用意されています。

The Commerce Casino&Hotel
住所:6131 Telegraph Rd,Commerce, CA 90040
HP:https://commercecasino.com/

僕のカジノでの生活を紹介しましたがいかがでしたか?この生活を始めてすぐは興奮の日々でしたが、今はもうすっかり慣れてしまいました。ポーカー仲間の中には勝っても負けても何も感じないと言う人もいるほどです。

その中でも僕は割と一喜一憂するタイプで、勝ちが続くと毎日幸せな気分になり、負けが続くとポーカーでの生活をやめたくなったり、カジノに行く足が重くなったりします。たとえそれでカジノへ行かなくてもそれを咎める人は誰もいません。でも行かなくては勝つことはできないので、ただひたすらにカジノへ行くのです。

(#1・了)

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